アンドロイドは電気羊の夢を見るか?を読んだよ。

感想。2はちょっとネタバレ含む?


1長編なんだけれど、ひとつひとつ、展開が丁寧にされていて、飽きないで読み続けられる。SF初心者にもおすすめ。1984なんかは最初の設定部分がが疲れるからねぇ・・・。
イブの時間とか、命ってなんだろう、思い出の詰まったものとそうでないものに対する、感情の違いについて違和感を覚えたりするあなたにオススメっ!




2簡単な感想(ネタバレ含む)

おおざっぱにまとめ:生命と非生命の境目はどこか。実は、その意味―知覚する対象物が「生きているか」―を決めているのは、「人間」なのであり、客観的な性質では決まらない、ということを、一人のアンドロイドを壊す立場の男の視点から描いた作品、かな。
これから、

目の前に二つのものがある。一つは、小さい頃から大事にしているアクセサリーで、もう一つは、先ほど買ってきた宝石だ。
あなたにとって、この二つの価値は、同じか?どちらを捨てても、何も変わらない?―違う、と感じるのが一般的だと思う。
でも、ある日突然すり替わっていたら…。

その人にとって、目の前にあるものが大事な性質をもつか、そうではないかは、その人がどう捉えるかの問題であって、それは往々にして、「外見」の問題であり、感得できない部分は"どうでも良い"のだろう。
命のあるものだから、命のないものだから、天然物だから、人工物だから、…というのは、感得できない限り、その人個人にとっては、本当はどうでもよいことなんだと思う。

それが、人間であるか・そうでないかに及んだら、どうだろう。自分たちの立てている、「生命」の基準が、いかに曖昧で、意味のないものだと感じないか。

昔、AIBOっていう犬型のロボットが発売された。今では、もっともっとリアルな―「生き物」のような―ものが、作られうると思う。そしたら、それは生命だろうか?それに生命性を感じない方が、異常かもしれないし。
知性による価値順序が身勝手で、意味のない基準だと、思う。社会をつくる上でやむを得ないところもあるだろうけど、基準はあくまでも「擬制」なんだ。僕たちは、もっと精神的だし、ものに命を吹き込む。


ところで、イブの時間というアニメもあったけど、それと似てるのかもしれない。むしろ、イブの時間とアンドロイドは〜の二つを引き合わせてみると、面白いかもですね。


深夜なので恥ずかしいことを書いているのは重々承知です。